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特別編:英語多読完全ブックガイドについて

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特別編:「英語多読完全ブックガイド」について

今回は、「楽しく読もう」のやさしい洋書の紹介ではありません。
楽しく読める「やさしい洋書」の説明が満載されている、ガイド本についてのお話です。
この「ブックガイド」は、すでにお持ちの方や、ご存知の方も多いと思いますが、今回特別に、改めて採り上げさせていただきます。

なお、最初におことわり申しておきますが、私は、ここで、このブックガイドをご紹介したいのですが、この本の想定趣旨である、この多読をオススメしているわけではありません。
この多読は非常に理にかなった良い方法だと個人的に思ってはいますが、これを全面的に推進する目的でこの本を採り上げるものではありません。

☆☆
このブックガイドは、以下に説明しますような「多読」とあまりにも密接に結びついているために、せっかくの本の価値が未だ十二分に発揮されていない、気がするわけです。
率直に申しますと、多読をしない人、多読はしてみたいけど今はどうも・・・という人は、本の題名だけから判断して本を購入しない、したがってせっかくの本の内容を詳しく知らない、というきらいになっているのではないか、と思うわけです。

しかし、これだけの洋書のガイド本は、どこにもない、まさに至宝というべき稀有な本だと、私は思っています。
そして、その真価を発揮し、英語を勉強される方に広く読んでいただくために、「中学生、高校生、社会人が読みたい、やさしい洋書完全ガイド」と銘打って、「いわゆる多読」関係の部分を少し外した形で再編して、ぜひ出版していただきたい、と思っている本なのです。
言い換えますと、もっともっと、もっと多くの人に、この本を読んでもらいたい、この本に書かれている、「やさしい洋書」:「面白くてやさしい洋書」:「楽しく読めるやさしい洋書」を知っていただきたい、と思っているわけです。

☆☆
まず、この本の概要についてご説明したいと思います。
この本は、東京の新宿にあるSEG という「多読」の総本山的な団体 (SSS英語学習法研究会)で出している本で、原則として、いわゆる多読者向けに書かれた本です。私の持っているのは、初版ですが、現在、第3版最新版が出ていると推測します。

すでにご承知の方が多いと思いますが、本の記述を引用して、あえて説明しますと、
ここで想定している洋書の「多読」とは、
1. 辞書は引かない。
2. わからないところはとばす。
3. つまらなくなったらやめる。
というものです。

そして、単語の語数(You are right=3語)にして100万語、200万語、~1000万語という目標を立てて、読み進めていくわけです。

この本で想定している多読者は、本当に、いっさい辞書を引かないのです。何も調べません。本を読む際には、文法書なども見ません。
知らない単語の意味を調べたりするのではなく、その単語・表現が、どんどん読んだ結果、自然と身に付くのを待つのです。

ですから、非常にやさしいレベル0(例えば、1頁に単語が一つくらいのもの)から始めて、ゆっくりと、ひとつずつ自分自身をステップアップさせながら読んでゆく、ことになります。当初は、どうしても、絵本と各種のグレードリーダーが中心になりますが、やさしい本を、1冊、10冊、100冊、200冊、300冊と読んでゆくわけです。

したがって、どんどん読んで読んだ語数が増え、自然にレベルがあがってきますと、付け焼き場でない、本物の英語力がつくことになります。調べて覚えた単語、暗記した単語・表現は、ありません。
自然と身に付いた英語力だけが、読書の支えです。

非常に理にかなった良い方法だと思いますが、これにはけっこうな時間と、長期にわたる根気、加えて相当の費用がかかります。

あえて重ねて申しますが、
私は、ここで、このブックガイド本を紹介したいのですが、この本の想定趣旨である、この多読をオススメしているわけではありません。

私自身、この本を参考に読書したのですが、その熱中的な性格と、金銭的な関係もあって、もしこの多読方式をとっていたならば、根気が続かず、失敗していたと考えています。
おそらく途中で投げ出してしまい元通りになっているか、又は、少なくとも現在も、まだ一般のペーパーバックにはほど遠いところでウロウロしているのではないか、と思うわけです。
これは、この多読のシステムがどうの、というよりも、自分自身の環境、性格が、これに向いていないということです。自分がそうですから、これを全面的に人におススメルわけには、いかないわけです。

☆☆
先に説明しましたように、この「英語多読完全ブックガイド」は、多読者向けに書かれた「やさしい洋書」「これから多読してゆく洋書」について詳しく、ていねいに書かれた本です。
私は、この本で紹介されている「やさしい洋書そのもの」を、皆様に知って欲しいわけです。
この本を書かれた実際の多読関係者の方には、本当に感謝いたしており、そのご努力・ご苦労には、敬意を表します。

本当に、親切、丁寧な、「やさしい洋書のガイド本」と思います。
一家に一冊、と言えるぐらいの価値ある本だと思っているのです。

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☆☆
先に説明しましたいわゆる多読では、辞書を使わずに読み進めるわけですから、読む本のレベル表記が必要になります。指標なしには、読み進められません。このため、この本(多読の総本山)では、「読みやすさレベル」(YLと表記)という基準を導入し、いろいろな本を、YL0.8~1.2とか、YL2.5~3.5とか、その基準を当てはめて分類した上で、紹介してあります。

非常に多くの方が協力されたおかげで、この本には、日本で入手できる「やさしい洋書」が、わかりやすく、ふんだんに紹介されているのです。およそ、やさしい洋書のワンダーランドといってよいくらい、興味深く紹介されています。
日本で入手できる「グレードリーダー」も、こと細かく、ていねいに説明されています。
グレードリーダーでない、やさしい児童書も、本当にものすごい量の本が、わかりやすく紹介されています。
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☆☆
ただ、ひとつ、私の「楽しく読もう」推進の「やさしい洋書」と異なっているのは、そのYL(読みやすさレベル)、やさしさの度合い、です。

辞書を使わない、わからない単語や表現は読み飛ばす、という想定と、英語の専門家の基準によって立った読みやすさレベルYLですから、これはあっているのだろうと思います。

しかし、これまで私がご紹介してきた本は、当然ですが、ちょっと辞書を引いて読んでもかまわないという想定です。文法の参考書を使ってもかまいません。多少何かを参考にしても、「やさしい洋書を楽しく読もう」というものですから、この本の「読みやすさレベル」(YL) と、私の紹介する本の[やさしいレベル設定]は、大きくかけ離れています。
本当に、大きくかけ離れています。

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例えば、いままでご紹介してきた本の中から、いくつかの本をピックアップして、このYLで示してみます。

Goose bumps  YL 4.0~5.0
Magic tree house  YL 2.5~3.5
Sarah, Plain and Tall  YL 3.0~4.0
Catwings  YL3.5~4..5
Marvin Redpost  YL2.5~3.5
American Pie YL4.0~5.0
My Humorous Japan  YL4.0~5.0
Nate the Great  YL1.2~1.4
Flog and Toad シリーズYL 1.2~1.6

少し、驚かれたのでは、ないでしょうか?
Nate the Great  YL1.2~1.4 、Flog and Toad シリーズ YL 1.2~1.6と、Goose bumps YL 4.0~5.0 、American Pie YL4.0~5.0とでは、読みやすさレベルが格段に違う、と思われたのではないかと思います。このブログは、これを同列に紹介していたのか?と。
この点が、今回の最大の焦点ですので、これから詳しく説明いたします。

☆☆
私はこの多読グループには属しておりませんので、実際のところ、細かくはわからないのですが、多読者の方は、YLレベル2までで50万語の読書を超え、YLレベル3ぐらいまでで100万語以上の多読が進んでいる、という感があるのです。
ステップアップですから、それまでの間、YLレベル4以上を読むことは、あまりないと思われます。

従いまして、私が「やさしい洋書」としてご紹介したうちに含まれる、レベル3.5~4.5、レベル4.0~5.0というレベルは、この本「英語多読完全ブックガイド」では、ある程度多読が進んでから読む、それほどやさしくないレベル、という想定に入っているものと考えられます。
一般の大人向けペーパーバックのレベル設定は、やさしいものでYL6、普通のものでYL7という設定ですから、先のGoose bumps YL 4.0~5.0 、American Pie YL4.0~5.0というと、あと一息で大人向けペーパーバックが読める、というけっこう難しいレベルになります。

☆☆
ですが、私には、一概にそうは思えない部分があるのです。実際の読書を経験した者としての実感でもあります。私の紹介した「やさしい洋書」に、先のようなYLのものが含まれている理由も、この実感に根拠があります。

私も、この本を参考にして、15年近く英語から遠ざかり、ほとんど英語を忘れてしまった状態から、やさしい洋書をたくさん読んだのです。そして、大人向けのペーパーバックに移行するまでに、300万語以上の本を読みました。

ですが、先に挙げたAmerican Pie YL4.0~5.0、My Humorous Japan YL4.0~5.0は、読みはじめて3~4か月のそれほど経っていない時期(語数にして50万語以内の時期)に読んでいるのです。NHK番組の講師陣が出されているこれらの本は、はじめから、高校生でも十分に読める、やさしい英語で書かれている、想定の本です。

Goose bumps YL4.0~5.0も面白いシリーズなので、さほど時を置かずに、読んでいます。このシリーズは、面白くて、かつ読みやすい、やさしい本だと、今も思っております。それで、「楽しく読もう」でオススメしたわけです。その他の、このブログでは紹介していないYL4~5の本も、同じ時期にたくさん、楽しく読んでいます。中には、ちょっと難しいのもありましたが、難しい、読めない類の本ではありませんでした。

もちろん、私は、読み始め当初、辞書をけっこう引きました。これは、当然、この本の想定する多読のしてはいけないことの第一です。ですから、辞書をまったく使用しない想定では、これらの本は、その読みやすさレベルなのかもしれません。

しかし、実際に読み始めてみると、わからない単語は、本当に多かったのです。たぶん、中学時代ぐらいまで、単語力、英語力は落ちていたと思います。
そこで、もし全く辞書を引かなかったら、まず読書は続かなかっただろうと思います。
少し進歩したのは、子供用の英英辞書をメインに使うようになったことぐらいです。

☆☆
また、高校時代に唯一読んだ洋書である「Mary Poppins」(メリー・ポピンズ)は、この読みやすさレベルYLではYL6.0~7.0(=大人むけのやさしいぺーバーバックレベル)に設定されています。

高校のときに、それほどの英語力・リーディング力があった記憶はありません。都立高校の一斉入試テストでは、総合で良い点はとりましたが、実は、英語は一番苦手だったのです。国語92、数学90、英語55ぐらいの得点(総合点では、学区内のどの高校にも入れる点)と記憶しています(入学後、高校で内緒に見せてもらいました)。それでも、高校のとき、面白そうで、読めそうだったから、読んだのです。おそらく、辞書も引いたと思います。

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したがいまして、この本「英語多読ブックガイド」は本当に素晴らしい本なのですが、この本を入手された場合、この読みやすさレベルYLにこだわらず、「目に付いた面白そうな本」を読んでいただきたい、と思っています。

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あくまで、このYLは、ゼロから自立して多読する方のための、読みやすさレベルと考えて欲しいのです。何の補助もなしに読み進める多読者は、最初からYLの上の方に手を出すべきではありません。下の方のYLでの十分な読書が、基礎を作り、自然と身に付いた英語力がYLを徐々にアップさせてゆく、という想定のYLなのです。

ですから、一般の中学生、高校生の方、社会人の方は、別に、YL2の本から読んでも、YL3~5の本から読んでも差し支えないと思っています。そこにも、たくさん「やさしい洋書」があるのです。少し辞書を使っても、問題ないと思っています。

そうでないと、「やさしい洋書」を「楽しく」読めません。いつまで経っても、面白い洋書が読めません。

YLの基準は、一応の目安とはなりますが、YLが少々高い(YL3~5)からといって、難しい、読めないのでは?、と思わないでいただきたいのです。
実際、中学生、高校生でも十分に読める、やさしい洋書、面白くてやさしい洋書が、この範囲のYL(YL3~5)にもたくさんあります。

今まで、このブログで紹介してきた中にこの範囲のものが含まれているのは、別に不思議なことではないのです。

この素晴らしい本について、このブログでこれまで何ら触れなかったのは、実は、この本に書かれた読みやすさレベル YL と、私が皆さんに是非知って欲しい、読んで欲しいと思う「やさしい洋書」の設定レベルとが、このように大きくかけ離れていたせいなのです。

この本を最初にご紹介してしまうと、私の紹介する本のなかのいくつかが、とても難しくて読めない本のよう思われてしまうのでは?、必要以上に敬遠されてしまうのでは?、と思ったからなのです。

この本のようにペーパーバックまで読めるようになるためには、辞書を少しでも使ったらいけない、と思われてしまうのでは、と思ったからなのです。辞書をけっこう使って読み進めても、楽しく読んでいけば、それほど遠くなく、大人用のペーパーバックが読める力は身につきます。私自身、確かに集中して読書しましたが、中学生ぐらいのレベルから、1年とたたないうちに、大人用ペーパーバックを読めたのです。

このブログでは、普通の高校生の方が読めないような、本当に難しい本は、取り上げておりません。辞書をつかっても、1か月も2か月もかかるような本は、たとえ他では児童向けと言われていても、安易に紹介しないつもり、又は、読めないけれど自分が面白そうだと思って読みたいなら、そのときは読みましょう、と言うつもりなのです。

楽しく読める、やさしい洋書を、ご紹介するつもりなのです。

もちろん、YL 1~2の、このブックガイドで紹介された面白そうな本を、まず先に読んでいただいてもかまいません。このブックガイドは、このあたりもとても充実しています。それに、この辺の本には、けっこう面白いものが山積みなのです。
この本のYLが低いものは、それに応じたやさしい本であるという面はありますので、YL 2 に満たない低い分の方は、額面どおりやさしいとお考えいただいて、どんどん読まれて良いと思います。

この本には、本当に、面白そうな本が、たくさん、たくさん、紹介されています。
どうか、「システム的な多読」にこだわることなく、より多くの方が「やさしい洋書を楽しく読む」一助として、この素晴らしい本をご活用下さいますよう、お願い申しあげます。


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